real face

想いの行方

──7月4日。

土日にセミナー参加だったため、今日は代休。
週末に佐伯主任に会えなかったのに、今日も会社に行かないから会えない。

だけど、2週間ぶっ通しの勤務はさすがにキツいから、今日は休めと佐伯主任からの指示に素直に従うことにした。
主任って過保護だったりして。
3日も会えないなんて、主任不足だよ……。

それにしても、土日のセミナーはキツかったかも。
講習の内容は興味があったし、すごく充実した2日間だったと思う。
宮本課長には感謝しなければ、なんて思ったくらいだ。

ただ、1つだけ文句を言いたいことがある。
それは一緒に参加した迫田さんのこと。
私が疲れた原因は、彼の存在だと言っても決して過言ではない。
迫田さん、何の目的でセミナーに参加しようと思ったのだろう……。
講習を受けている間は集中できていたから、隣の彼に気を取られることはなかったけど。

2日目の昼食時も、ウンザリだった。

迫田さんがやたら自分の生い立ちやら、過去の話やら喋っているのを適当に聞き流した。
北国の出身なんだとか、大学でこっちに来てシャイニングに就職できたのはラッキーだったとか。

ずっと喋ってくれてるから私は楽でよかったけど、たまに私に話を振ったり探りを入れようとしてくるから、交わすのに疲れてしまった。
どうせなら、私が知らない広報時代の佐伯主任の話でもしてくれたら良かったのに。

ああでもやっぱりダメだ。

そんな話になれば、ポーカーフェイス保てるかどうか不安だし、つい気が緩んでしまうかもしれない。
忠告を忘れてしまうなんて危険。

……ちょっと待って。
主任が『迫田に近付くな』って言うのは、広報の時の話を私に聞かれるのが嫌だから?
迫田さんと親しくするなっていう嫉妬ではないってこと?

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