real face
第5話
X・DAY ※宮本一弥視点
──月曜日。
とうとう来た、今日は正にエックス・デー当日。
朝礼が始まる前に翔と話したかったんだけど、いないなアイツ。
もうそろそろ部長が来てしまうんじゃないか?
マズイな、何処に行ったんだよ翔。
廊下に出て辺りを見回すと、ラーセクのリラックススペースで誰かと話しているのが見えた。
全く、アイツにしては珍しいな。
部長が来る前に呼び戻さないと、課長の俺の信用がかかっているんだからな……。
「は?先輩何言ってんですか。"俺の"ってどういう……」
誰かと思ったら、広報部の迫田じゃないか。
「おい佐伯!朝礼の時間だぞ、戻れ。迫田、昨日はうちの蘭が世話になったな。上村さんによろしく伝えてくれるか?」
「宮本課長、こちらこそですよ。蘭さん頑張ってくれました。で、その蘭さんなんすけど!佐伯先輩が」
「課長、今日は部長が朝礼参加の日でしたね。すみませんもう戻りますんで。じゃ迫田、俺急ぐから。またな」
「ちょっと!先輩!!」
「……悪いな迫田。部長が来る前に戻らないといけないから」
翔と迫田は、一体何の話をしていたんだろうな?
──朝礼後。
「課長、蘭さんは代休でしたね」
「ああ。ワーセクで打ち合わせ入ってたな。書類作成は済ませてあるって言ってたけど、蘭さん」
「ええ、悔しいくらいに完璧ですよ。午後からワーセクに行きます」
「了解。問題なのは今日の来客だな。11:00の予定だから、よろしく頼む」
「公認会計士の先生、でしたっけ?」
「そうだ。シャイニングの新しい顧問会計士だよ。しかしまだこの話はオフレコらしいから、内密にな。まぁ、詳しい話は会ってからだな」
そう、会ってみないとどう転ぶか分からない……。
どうしてこんな事になったかと言うと、それは約1ヶ月前に遡る。
あまりにも突然の出来事だったけど、あの日もまひろが不在だったってことだけは幸いだった。
あの日は、佐伯がプロジェクト会議でワーセクに行ってた日。
まひろはRYUZAKI工房に1人で打ち合わせに行っていた。
教事1課の自分のデスクで課長決裁の書類に目を通していると、突然の来訪者が現れた。
とうとう来た、今日は正にエックス・デー当日。
朝礼が始まる前に翔と話したかったんだけど、いないなアイツ。
もうそろそろ部長が来てしまうんじゃないか?
マズイな、何処に行ったんだよ翔。
廊下に出て辺りを見回すと、ラーセクのリラックススペースで誰かと話しているのが見えた。
全く、アイツにしては珍しいな。
部長が来る前に呼び戻さないと、課長の俺の信用がかかっているんだからな……。
「は?先輩何言ってんですか。"俺の"ってどういう……」
誰かと思ったら、広報部の迫田じゃないか。
「おい佐伯!朝礼の時間だぞ、戻れ。迫田、昨日はうちの蘭が世話になったな。上村さんによろしく伝えてくれるか?」
「宮本課長、こちらこそですよ。蘭さん頑張ってくれました。で、その蘭さんなんすけど!佐伯先輩が」
「課長、今日は部長が朝礼参加の日でしたね。すみませんもう戻りますんで。じゃ迫田、俺急ぐから。またな」
「ちょっと!先輩!!」
「……悪いな迫田。部長が来る前に戻らないといけないから」
翔と迫田は、一体何の話をしていたんだろうな?
──朝礼後。
「課長、蘭さんは代休でしたね」
「ああ。ワーセクで打ち合わせ入ってたな。書類作成は済ませてあるって言ってたけど、蘭さん」
「ええ、悔しいくらいに完璧ですよ。午後からワーセクに行きます」
「了解。問題なのは今日の来客だな。11:00の予定だから、よろしく頼む」
「公認会計士の先生、でしたっけ?」
「そうだ。シャイニングの新しい顧問会計士だよ。しかしまだこの話はオフレコらしいから、内密にな。まぁ、詳しい話は会ってからだな」
そう、会ってみないとどう転ぶか分からない……。
どうしてこんな事になったかと言うと、それは約1ヶ月前に遡る。
あまりにも突然の出来事だったけど、あの日もまひろが不在だったってことだけは幸いだった。
あの日は、佐伯がプロジェクト会議でワーセクに行ってた日。
まひろはRYUZAKI工房に1人で打ち合わせに行っていた。
教事1課の自分のデスクで課長決裁の書類に目を通していると、突然の来訪者が現れた。