real face
「久し振りだな、一弥くん。いや、宮本課長と呼ばなくてはいけないな」
目の前に立っていたのは、俺の叔父に当たる人物。
蘭真行
まひろの、父親だ。
「お久しぶりです。どうぞ、こちらへ……」
隣の応接室に誘導し、コーヒーを淹れてもらうように頼んだ。
「失礼します」
コーヒーを持ってきた女性社員をチラリと一瞥して、落胆の表情を垣間見せたのは見間違いじゃないはず。
「ここは確か"教事1課"だろう?ここに、居ると聞いてきたんだが」
まひろのことですか?と聞きたいのをグッと堪えた。
「どうしたんですか、叔父さん。御用件をお伺いしても宜しいでしょうか」
「そうだったな。実は……」
シャイニングの顧問税理士である、多田野先生が病気療養のため顧問を辞任するらしい。
その後任として、公認会計士である叔父さんが顧問に就任する事になったと知らされた。
こうしてわざわざ教事1課にやって来たのは、まひろに会うためだけじゃないようだ。
人材発掘・育成のため、公認会計士のセミナーを始めようとしているのだとか。
その相談と、セミナーの運営を助けて欲しいとの依頼だった。
「若い人の力を借りようと思ってるんだよ。一弥くんには優秀な部下がいるらしいじゃないか」
ああ、そうか。
そういう魂胆ね………。
俺はドアの向こうの"教事1課"フロアを見つめながら言った。
「それでしたら是非、担当させたい者がおります。ですが、あいにく今日は席を外しています。後日また顔合わせをさせて頂けませんか?」
たまたまだったけど、運が良かったな……アイツ。
「そうか、それは残念。アポも取らず突然来た私が悪かったな。近いうちにと言いたいところだが、私も忙しい身でね。来月の中旬にならないと時間が取れそうにないが、いいかね?」
「勿論です。そちらの都合に合わせますので、日時が決まり次第お知らせいただけると助かります」
その後、連絡をもらって決まったのが今日の約束。
さて、俺もそろそろ本気モードでいくか。
そしてとうとうやって来た、X・DAY(11:00)
場所は前回と同じ、教事1課の応接室。
目の前に立っていたのは、俺の叔父に当たる人物。
蘭真行
まひろの、父親だ。
「お久しぶりです。どうぞ、こちらへ……」
隣の応接室に誘導し、コーヒーを淹れてもらうように頼んだ。
「失礼します」
コーヒーを持ってきた女性社員をチラリと一瞥して、落胆の表情を垣間見せたのは見間違いじゃないはず。
「ここは確か"教事1課"だろう?ここに、居ると聞いてきたんだが」
まひろのことですか?と聞きたいのをグッと堪えた。
「どうしたんですか、叔父さん。御用件をお伺いしても宜しいでしょうか」
「そうだったな。実は……」
シャイニングの顧問税理士である、多田野先生が病気療養のため顧問を辞任するらしい。
その後任として、公認会計士である叔父さんが顧問に就任する事になったと知らされた。
こうしてわざわざ教事1課にやって来たのは、まひろに会うためだけじゃないようだ。
人材発掘・育成のため、公認会計士のセミナーを始めようとしているのだとか。
その相談と、セミナーの運営を助けて欲しいとの依頼だった。
「若い人の力を借りようと思ってるんだよ。一弥くんには優秀な部下がいるらしいじゃないか」
ああ、そうか。
そういう魂胆ね………。
俺はドアの向こうの"教事1課"フロアを見つめながら言った。
「それでしたら是非、担当させたい者がおります。ですが、あいにく今日は席を外しています。後日また顔合わせをさせて頂けませんか?」
たまたまだったけど、運が良かったな……アイツ。
「そうか、それは残念。アポも取らず突然来た私が悪かったな。近いうちにと言いたいところだが、私も忙しい身でね。来月の中旬にならないと時間が取れそうにないが、いいかね?」
「勿論です。そちらの都合に合わせますので、日時が決まり次第お知らせいただけると助かります」
その後、連絡をもらって決まったのが今日の約束。
さて、俺もそろそろ本気モードでいくか。
そしてとうとうやって来た、X・DAY(11:00)
場所は前回と同じ、教事1課の応接室。