real face
「販促イベント、ですか?あの時は確かにナチュラルメイクでしたけど」
どうしてそれを知ってるの?
「迫田から報告受けた時に、アイツが言ってた。蘭さんと親交を深めたいとか言い出したから、断っといたけど」
「あ、迫田さんが」
親交がどうのこうのってのは、スルーしよう。
断ってくれたらしいし。
「ナチュラルメイクでもスッピンでも、仮面が剥がれた酷い顔でも、ケバいのより好きだ」
すっすっすき……?
っていうか!!
ちょっと待って。
いま何か重要なことをサラッと言いませんでしたか?佐伯主任!!
「仮面?剥がれたって……?」
だって、あれは歓送迎会の時、喫煙室で休んでいた時のことだったのに。
あの時のことって、主任は忘れてしまったはず。
「ごめん、言い過ぎたか。あ、でも会社では今のままでOKだから。迫田のような輩が騒ぎ出したら面倒だし。ただし……」
一度言葉を区切ってから、繋がったままの手をギュッと強く握って言った。
「俺と2人きりになるときは、出来るだけ素顔を見せて」
胸がズキューンと貫かれたような衝撃が走った。
『素顔を見せて』
そんなこと、言われるなんて。
どう応えたらいいのか、よく分からなかった。
黙ったままの私に返事を催促する事もなく、何か思い出したように言葉を発した主任。
「あ……そうだった。もし、修が蘭さんに接触を図って来たら、必ず俺に連絡して。出来るだけ2人きりでは会うな」
それは、イチにぃから指示された事?
シュウにぃが私をどうにかするつもりって言っていたし。
それとも、まさか、嫉妬?
なんて、そんなわけないよね。
「分かりました、主任。お疲れさまでした。おやすみなさい」
「ああ、じゃあまた明日。おやすみ」
手が離れて、エントランスに向かう。
中に入る前に振り向いたら、まだ見送ってくれている。
ペコッとお辞儀すると、片手を上げた主任が微笑んでくれたような気がした。
どうしてそれを知ってるの?
「迫田から報告受けた時に、アイツが言ってた。蘭さんと親交を深めたいとか言い出したから、断っといたけど」
「あ、迫田さんが」
親交がどうのこうのってのは、スルーしよう。
断ってくれたらしいし。
「ナチュラルメイクでもスッピンでも、仮面が剥がれた酷い顔でも、ケバいのより好きだ」
すっすっすき……?
っていうか!!
ちょっと待って。
いま何か重要なことをサラッと言いませんでしたか?佐伯主任!!
「仮面?剥がれたって……?」
だって、あれは歓送迎会の時、喫煙室で休んでいた時のことだったのに。
あの時のことって、主任は忘れてしまったはず。
「ごめん、言い過ぎたか。あ、でも会社では今のままでOKだから。迫田のような輩が騒ぎ出したら面倒だし。ただし……」
一度言葉を区切ってから、繋がったままの手をギュッと強く握って言った。
「俺と2人きりになるときは、出来るだけ素顔を見せて」
胸がズキューンと貫かれたような衝撃が走った。
『素顔を見せて』
そんなこと、言われるなんて。
どう応えたらいいのか、よく分からなかった。
黙ったままの私に返事を催促する事もなく、何か思い出したように言葉を発した主任。
「あ……そうだった。もし、修が蘭さんに接触を図って来たら、必ず俺に連絡して。出来るだけ2人きりでは会うな」
それは、イチにぃから指示された事?
シュウにぃが私をどうにかするつもりって言っていたし。
それとも、まさか、嫉妬?
なんて、そんなわけないよね。
「分かりました、主任。お疲れさまでした。おやすみなさい」
「ああ、じゃあまた明日。おやすみ」
手が離れて、エントランスに向かう。
中に入る前に振り向いたら、まだ見送ってくれている。
ペコッとお辞儀すると、片手を上げた主任が微笑んでくれたような気がした。