セカンドラブは魔法の味
「お父さん、行ってきまーす」

 可愛い赤色のランドセルを背負って、元気に学校へ行く女の子。

 名前は京坂涼子(きょうさか・りょうこ)10歳。


「行ってらっしゃい、気を付けてね」


 家の前でにこやかに手を振るのは、京坂幸弥現在38歳。

 宗田ホールディングの息子であった幸弥が、父秋斗の家を継ぐために京坂家に養子に入って18年目。


 母の茜と同じ道を目指し22歳で弁護士になった幸弥。

 腕利きの弁護士になり独立、そして結婚した幸弥。


 結婚して今年で11年目。


 だが・・・





 和室。

 仏壇が置いてある。

 そこには若い優しそうな可愛い系の女性の写真が置いてある。

 軽やかなブラウンのボブヘヤーに、丸顔で穏やかな目をしてる女性は、見ているとホッとさせられる。



 幸弥が戻ってきて、仏壇に手を合わせた。

「春子。涼子は元気に学校に行ったよ」

 写真を見て微笑む幸弥。

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