セカンドラブは魔法の味

「貴女に会いたいんです」

「な・・・何言ってんの? 」


 少し驚いた目をした心優を見つめて、幸弥はハッとなった。


「そうか・・・今気づきました・・・」

「え? な、何が? 」


 幸弥は心優に歩み寄った。


 そして・・・そっと、心優の右手をとった。

 右手には手袋がはめられていた。

 もしかして義手? と、幸弥は思ったがギュッ握ると義手ではないことが解った。


 ギュッと心優の手を握ると、何となく何かが伝わってきて、幸弥は胸がいっぱいになった。


「・・・今気づきました。・・・桜本心優さん・・・」

 名前を呼ばれて、心優はハッとなった。


 ハッとなる心優を見つめている幸弥の目が潤んできた。


「心優さん・・・好きです、貴女の事が・・・」

「はぁ? な、何言ってんの? 」


 目を大きく見開く心優を見て、幸弥はニコッと笑った。


「だから、貴女の事が好きなんです、僕は」

「冗談でしょう? 私なんか・・・」

「本気ですよ。貴女を見た時から、ずっと胸が熱くて。僕のハートが喜んでいますから。あの時は、貴女の怪我が心配でこの気持ちに気づきませんでした。でもこうして、貴女を見ていてやっと気づきました」


 そう語る幸弥の目はとても愛しそうな目をしてる。
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