セカンドラブは魔法の味
幸弥は心優の写真を見つめていると、胸が熱くなってドキドキとしてくるのを感じた。
どうしてこんなに気になるのか、自分でも判らない幸弥。
ずっと女性に興味を示さないで過ごしてきたのに、なんでこんなに心優が気になるのか・・・。
その答えを幸弥が知ったのはずっと先だった。
数日後。
幸弥は仕事をの合間に、心優にお詫びをする為光友総合病院へ行った。
心優はちょうど休憩に入ったようで屋上にいると聞いて、幸弥はやって来た。
病院の屋上は見晴らしがよく、街並みが良く見える。
遠くに港も見えて気分転換にはとても良い場所。
心優はタバコを吸いながら、街並みを見ていた。
ガタッ。
屋上のドアが開くとがして、心優は顔だけ振りむいた。
「あ・・・」
心優の姿を見かけて、幸弥が歩み寄ってきた。
ん? と、心優は振り向いた。
「あの、先日はすみませんでした」
「なに謝ってんの? あんたが悪い訳じゃないし・・・」
「いえ。貴女に怪我を負わせてしまったのは、事実ですから」
「怪我なんて、大したことないし」
背を向けて、心優はタバコをふかした。
「あの。大変お忙しいとは、承知しておりますが。お時間を作って頂けませんか? 」
「はぁ? 」
たばこを持ったまま、心優は幸弥を見た。
「ちゃんと、お詫びをさせて下さい」
「だから、お詫びなんていらないって! 」
「お詫びじゃなくていいので、僕と会って下さい」
真剣な目をして見つめる幸弥に、心優はきょんと驚いた目をした。