セカンドラブは魔法の味


「ただいま」

 涼子が学校から帰ってきた。


「お帰り涼子ちゃん」

「ただいま。優弥は? 」

「寝ているわよ。さっき、オムツ変えてミルク飲んだばかりよ」


 傍で寝ている優弥を見て、涼子は嬉しそうに笑っている。


「ただいま」

 幸弥も帰ってきた。


「おかえりなさい、お父さん」

「おかえりなさい」


「優弥は寝ているのか? 」

「うん、さっき寝たばかりよ」


 寝ている優弥の頬に触れる幸弥。

「なんか産まれたばかりだけど、また大きくなった感じがするね」

「良く飲んで、良く寝るから成長も早かもしれないわね」

「お父さん、あっと言う間に優弥に追い抜かれちゃうかもね」

「え? 」


 楽しい家族の笑い声が響き渡る。


 春の日差しが心地よく窓から入って来る。

 まだ風が強く寒い日々だが、こうして笑い合う家族がいるととても暖かくホッとさせられる。


 
 偶然の出会いが重なり、強い思いで繋がっていたハルと心優。

 心優はずっとハンデを背負って自分を責めて生きてきた。


 そんな心優と幸弥が出会って。

 幸弥は心優に惹かれていった。

 涼子の直感と特殊な能力で、背中を押されて。

 不思議と身についていた特殊な力で、奇跡の魔法を起こして心優の火傷の跡を消した幸弥。

 

 信じられない奇跡の魔法で、心優は自分の殻から脱出して前を見ることが出来、幸弥と愛し合うことが出来た。


 そこにはとても深い愛がきっとあったはず。



 魔法と言うのはこの世に存在しないと言われている。

 しかし魔法と言う言葉があると言う事は、どこかには存在しているのかもしれない。

 なぜ人は魔法が使えなくなってしまったのか。

 それは魔法がなくても奇跡を起こせるからなのだろう。


 魔法はきっと心からの深い愛の結晶。

 でも誰でも使える訳ではない。


 本当に必要な時にはきっと奇跡の魔法が降りてくる。

 幸弥と心優が使えたように。


 次に奇跡を起こせるのはきっと・・・

 あなたかもしれない・・・。



 セカンドラブは魔法の味。

 END
 
 
 
 
 

 
 

 




 
 

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