婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


「あ、うん。あの婚活パーティーとかを企画してる『ベストパートナージャパン』って会社の代表取締役」

「……だ、代表取締役!? って、社長ってこと!?」


 バッとこっちに振り返り、日菜子は目を見開いて驚いている。

 そんな顔をされると困ってしまって、「ははは」と軽く流そうと笑ってみせた。

 コーヒーを二杯淹れて、ソファの前のローテーブルへと運んでいく。

 一緒に日菜子の持ってきてくれたフルーツタルトもケーキ皿に出した。


「日菜子、入ったよ」


 窓からテラスを眺めている日菜子に声をかける。

「ありがとう」と戻ってきた日菜子は、「ねえ、外にあるの、あれジャグジーでしょ?」と、やっぱり越してきて当初私が驚いたことを口にした。


「いやいや、社長と聞いてこの住まいも納得だわ……」

「うん……すごい、よね」

「里桜、なに他人事みたいなこと言ってんの」

「だって……まだ慣れなくて」


 そう言うと、日菜子はぷっと噴き出した。

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