婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


 その晩――。

 夕方まで日菜子と過ごし、それから夕食の準備に取りかかった。

 今晩のメニューはビーフシチュー。

 さっき出来上がりの様子を見てみたら、お肉もほろっとしていていい感じに煮詰まっていた。


「わっ、素敵……」


 食事の準備もひと段落して、今日日菜子にもらった引っ越し祝いを開けてみると、クラシカルなずっしりと重みのあるフォトフレームが入っていた。

 花が象られたデザインで、アンティークな仕上げがオシャレだ。

 さすが日菜子のチョイスと思わず笑みがこぼれてしまう。

 今日は楽しかったな……。

 あっという間だった時間を振り返りながら、日菜子に言われたことを反芻する。


 でも……聞くって言っても、どうやってそんな話切り出すの?

 なんの前触れもなく、寝室についてはなんとも思ってないんですか?って?

 それじゃあ、ちょっとあからさますぎだよね……。

 じゃあやっぱり、初対面であんなことになってしまった私に引いてますか……?とか?

 そう訊くのが核心に迫っているし一番わかりやすいけど、でも、そんな勇気ないよ……。


 そんなことをあれこれ考えている時、玄関に帰宅の気配を感じ取った。

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