婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
「それは、お見合いをすすめた親族の手前とかもあるだろうし……」
「考えすぎだって。あー、もう、私が変なこと言ったから変な心配し出しちゃったわけ? 大丈夫だって、籍入れるまで我慢してるんだよ、きっと」
「我慢って……そんなわけ」
「そうに決まってる。そんなに心配になるなら、彼に直接聞いてみたらいいよ。絶対、里桜の考えすぎなんだから」
日菜子は〝絶対〟の部分を強調して断言する。
「そんなこと、聞けないよ……」
「じゃあそうやって、ずっとモヤモヤしてるの? 里桜の心配してることは絶対有り得ないから、今晩彼に聞いてみな?」
大したことでもなさそうに日菜子は話をまとめてしまう。
もやもやしているのは嫌だけど、どうやってそんな話を切り出せばいいのか思い付きそうにもなかった。