婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~



 週末、土曜日の夜――横浜の街は多くの人で賑わっている。

 駅からの道を足早に歩きながら、先を行く日菜子(ひなこ)の背中に向かって口を開いた。


「ねぇ日菜子、やっぱり私が行くのは……」

「大丈夫だって、一緒にいてくれるだけでいいんだから、ね?」


 さっき仕事を終えてスマホを見ると、日菜子から切羽詰まったメッセージが入っていた。

【今日予定ある?! ないなら付き合ってほしいことがあって、至急連絡ちょうだい!】

 一体どうしたのだろうと返信すると、桜木町駅で待っていると言われた。


「そうは言ってもさ、こんな私服だし、そういうところってドレスコードとかあるんじゃなくて?」

「ううん、そういう堅苦しい感じじゃないから大丈夫! 仕事帰りとかついでに寄れるようなイベントみたいだから、ね?」


 どうやら日菜子には、キャンセルするという選択肢はない様子……。

 どうしても一緒に行ってほしいと日菜子が頼み込んできた、その場所……それはなんと、婚活パーティー。

 元々は今の職場の友人と行く約束をしていたらしいけれど、その友人が高熱を出し、どうしても行けなくなってしまったらしい。

 それならひとりで行けばいいのに、と思ったけれど、そのイベントの参加条件が〝友人との二人一組で参加〟という規約らしい。


「でも日菜子、知ってるでしょ? 私がそういうところ、苦手なこと……」

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