365枚のラブレター
(クララside)
歩君を・・・
怒らせちゃったな・・・
私は惣菜の容器を補充しながら
歩君と言い合いになった時のことを
思い出していた
私はどうしたら良かったんだろう・・・
もちろん大好きな歩君と一緒にいたい!
できることなら
ずっとずーっと一緒が良い!
でも
学校に行って
公民館で子供たちと遊んで
バイトに行って
家事を終えたら
赤点にならないように勉強をして
毎日の睡眠時間は4時間
寮に帰って来て倒れたことは
もう7回もある
寝不足のせいでバイトに迷惑を掛けたくない
だからどうしても
公民館での時間しか削れない・・・
どうしたらいいのかな・・・
「クララちゃん、歩君に渡したの?」
美紅さんがニコニコしながら話しかけてきた
「何をですか?」
「チョコに決まってるじゃない!
今日はバレンタインなんだから」
???バレンタイン???
何ですかそれは・・・
「もしかしてクララちゃん
バレンタインを知らなかった?」
「はい」
私は美紅さんに
バレンタインが何なのか教えてもらった
「美紅さん、今日、
もうあがらせてもらえませんか?」
「え?」
「私歩君を怒らせちゃったんです
しかも
チョコあげる日だったなんて知らなくて・・・
今から、渡してきたくて」
「良いわよ。仲直りできるといいわね」
「美紅さん、ありがとうございます」
私は急いでエプロンを脱ぐと
あるお店に走った
「こんばんは」
私はどうしても買いたいものがあって
花村堂のドアを押した
「あら、美紅ちゃんのお店で働いている
クララちゃんね
息をきらしてどうしたの?」
「苺大福をください」
「え?」
「私、今日がバレンタインって知らなくて
大好きな人にひどいことも言っちゃって
チョコよりも
その人が大好きな苺大福をあげたいんです」
「クララちゃんにとってその彼は
すごく大切な彼なのね」
「はい」
「可愛い箱に入れてあげるわ
少し待っていてくれるかしら」
そう言って腰を曲げながら歩くおばあちゃんは
可愛くラッピングをしてくれた
その箱をかかえ
必死に走って歩君の家の前まで来た
もう夜の8時を回っている
こんな時間にインターフォンを押したら
迷惑だよね・・・・
でも私は、携帯なんてものは持っていないし
今日渡さなきゃ!
だって、バレンタインが終わっちゃうもん!
ピンポーン
すごくドキドキする・・・
ガチャリ
「え?どちらさん?」
サバサバした高校生くらいの女の子が
無愛想な感じで聞いてきた
「天宮・・・クララです・・・
あの・・・歩君はいますか?」
「歩に用なの?
もしかして、チョコ渡しに来たとか?」
「・・・はい」
「こんな時間に渡しに来るなんて失礼じゃない?
歩は、今風呂入ってるから来れないよ」
「そうですか・・・
じゃあ、渡してくれるだけでいいんです
ごめんって言って、渡してください」
私はムリヤリ手に袋を握らせ
逃げるように歩君の家から離れた
そうだよね・・・
こんな時間に家に行くなんて
迷惑にもほどがあるよね・・・