365枚のラブレター
(クララside)
「はぁ~~~
私の誕生日まで
あと3週間か・・・」
学校帰り
トボトボ帰りながらいろいろ考えてしまう
相変わらず歩君と紗耶香さんは
クラスでもラブラブで
手を繋いでいたり
耳元でささやき合ったりしている姿を
目にしてしまう
辛いな・・・・
もう
この現実から逃げたいな・・・
暗い顔でよろよろ歩いていたら
いつの間にか
歩君と楽しい思い出の詰まった場所に
来てしまっていた
子供たちとたくさん遊んだ公民館
ここで
鬼ごっこしたり
トランプやオセロをしたりしたんだっけ
キャーキャー子供たちの楽しそうな声が聞こえ
ふとグラウンドを見ると
「あ・・・歩君だ」
以前と変わらない
思いっきり子供達と遊ぶ
歩君の姿があった
子供たちに向けるあの優しい笑顔が
愛おしくてしかたなかったな
もう一度だけ
もう一度だけでいいから
私も歩君と子供たちと
遊びたい・・・
そう思った時には
グランドに向かって歩き出していたが・・・
「あ・・・・・」
数歩歩いて
その場に固まってしまった・・・
「イェーイ!イェーイ!」
紗耶香さんが歩君とハイタッチ
そして子供達も集まってきて
紗耶香さんとハイタッチをしていた
アハハと飛び切りの笑顔で笑いあう
歩君と紗耶香さんがいた
・・・・・
そりゃそうだよね・・・
この公民館にも
もう私の居場所はないんだよね・・・
「クララちゃん!」
よく一緒に遊んでいた小2の真奈美ちゃんが
私に気づいて駆け寄ってきた
涙でグニョグニョな顔を見られたくなくて
急いで真奈美ちゃんに背を向け
私は公民館の敷地から逃げ出した
何やってるんだろ・・・
私のことを
大好きって言ってくれていた真奈美ちゃんのこと
傷つけちゃって・・・
私・・・
最低だ!!
私は何のために
この人間界に来たんだろう・・・
魔法界を捨て
家族を捨ててまで
なぜ人間界に来てしまったんだろう・・・
そんな後悔をしても
もうどうしようもない・・・
それに
人間界に来なかったら
幸せな時間を過ごせなかった
歩君が隣にいてくれた時間は
間違いなく人生一幸せな時間だったから
3週間後には
私はこの世から消えてしまう・・・
人間界とも魔法界ともサヨナラで
どうなってしまうのかもわからない・・・
それなら
この3週間を大切に生きたい!
やりたいことを
いろいろやりたい!
私はあることを決意した!
バイトに着くと
いつもニコニコの美紅さんが
誰もいないお店で、店番をしていた
「美紅さん・・・
今週いっぱいで
バイトをやめさせてください」
「え・・・
もしかして
このお店で嫌なこととかあった?
私、クララちゃんに、厳しすぎた???」
「そ・・・そんなことじゃないんです・・・
わ・・・私・・・私・・・」
美紅さんが優しすぎて
私は涙が溢れてきた
「クララちゃん・・・大丈夫??
ちょっとリビングに行こうっか」
美紅さんは穏やかに微笑むと
奏多さんに店番を任せて
美紅さんの家のリビングに連れてきてくれた
「クララちゃん・・・何かあった??」
「ごめんなさい
私のせいで、お店が・・・」
「お店のことは気にしなくていいのよ
それよりクララちゃん
何があったの?」
「私・・・
毎日辛くて・・辛くて・・・
歩君が紗耶香さんのことが大好きなのに
私、まだ歩君のことが忘れられないんです
大好きで大好きで、仕方がないんです」
「毎日辛いのね」
「歩君と紗耶香さんが
笑いあっているのも見たくなくて
もう・・・
学校にも・・・
行きたくなくて
転校することに・・・決めました
急にこんな迷惑をかけてごめんなさい
でも今度の日曜日で
このお店をやめさせてください」
「クララちゃんは、本当にそれでいいの?」
「・・・はい
もう、決めたことなので・・・」
「お店のことは気にしなくていいわ。
バイトをやめることもわかったわ。
でも
お店をやめても
辛いときはいつでも私の所に来て!お願い!
クララちゃんのこと、心配なの」
「美紅さん、大好き」
私は美紅さんの胸に飛び込んで
また泣いてしまった