365枚のラブレター

(歩side)

琉生と抱き合ってたな・・・



俺はベットに寝転がりながら
遊園地でのクララを思い出していた



遊園地での最後に見たクララは
観覧車の中で琉生と抱きしめあっていた



俺は心臓が引きちぎられるように痛くて
急いで観覧車から見えない場所に逃げ込んだ



苦しい・・・

苦しい・・・

クララの隣にいるのが
俺じゃないことが苦しい・・・



わかっているんだ
俺が自ら、クララの手をはなしたせいだ



それでも
俺ははっきり気づいた
どうしようもないほど
クララが大好きだって・・・



でも
この気持ちは封印しなければいけない



琉生と永遠の愛を誓わなければ
明日クララは
この世から消えてしまうんだから・・・


俺はもう
クララを幸せにはできないんだから・・・



「歩、いるか?」



「いるけど」



「ちょっと入るぞ」



入ってきたのは、尊兄ちゃんだった



「歩、久々だな

 奏多のとこ寄って卵焼き買ったけど
 お前食べるだろ」



「あ・・・ありがとう」



「お前さ・・・

 クララちゃんと別れてたんだな」



「あ・・・うん」



俺はクララのことを思い出して
兄ちゃんの前なのに泣けてきた



「俺さ、クララより他の子が
 良いって思っちゃったんだ

 俺のこと好き好き言って
 俺を一番に考えてくれる子に

 でもさ、今になって気づいた

 やっぱりクララが一番だって

 大好きなんだって」



「歩、それをクララちゃんに伝えたのか?」



俺はブンブン頭を振った



「言わない!

 俺は言わないって決めたから!

 クララを幸せにできるのは
 俺じゃなくて琉生だから!」



兄ちゃんは
はぁ~と深くため息をついた



「兄弟そろって、へたれライオンだな」



「は?」



「俺も花純と付き合う前に
 同じようなことを奏多に言ったことがある

 花純を幸せにできるのは、俺じゃないって

 でも奏多に『逃げてるだけ』だって言われて
 気がついたんだ

 そいつが本当に
 花純を幸せにするかはわからない

 それなら俺が
 花純にできることを全てしてあげればいいって

 俺はお前以外
 クララちゃんを幸せにできる奴は
 いないと思うぞ」



「そうかな・・・」



「そうだ!

 チャペルで指輪をもらった
 クララちゃんの笑顔を見た時に思った

 この笑顔を引き出せるのは、歩しかいないって」



「・・・兄ちゃん・・・ありがとう・・・」



兄ちゃんが部屋から出た後
俺は紗耶香にラインをした



『別れてください』って




明日、クララに伝えよう!



琉生と永遠の愛を誓うってわかっていても
それでも伝えよう!



『世界で一番 大好きです』って!!



俺はベッドに滑り込むと
大好きなクララを思い出しながら祈った



俺の思いが
クララに伝わりますように


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