「ひねくれモノめッ!」

結局ゲームは買えなかったけど、まあ今はスマホのゲームも充実してるって聞くし、そっちからリハビリしよう。スマホ新品だし。

そう思ってゲームショップを後にすると、急に腕を掴まれた。
驚いて振り向くと、先程の制服の彼だ。

「な、名前!あんたの名前は!?」
「は?名乗る必要を感じないんだけど。」
「ある!必要ある!」

食い気味に顔を近づけて言われた。
やめろ!顔が良いにも程がある!犯罪者に見られるのも御免だ!

「必要ない!」
「ある!!就職先を斡旋するって言ったら、教えてくれるのか無職!?」
「顔が近い無職って呼ぶな意味がわからんわ!」

本当なんなの!?本当に意味が分からない!
また周りの視線が痛い。しんどい。
てか就職先の斡旋て。お前は社長子息かなんかか!?

「そ、そうだな、説明したい、まず話し合いをしよう。」
「いや、だからその必要いる?ちょっと道に迷った青年にゲームを買って救ってあげましたハイ終わりでいいでしょーが。」
「良くない。俺は俺の誤解を解きたい。あと、俺の名前は青年じゃない、国山 弘(くにやま ひろ)だ。」
「はいはい国山クン、とりあえず放してくれる??」
「あんたが逃げずに話し合いに応じるなら、放す。」

頑固か。
ひとまず落ち着こう。私は彼より大人だ。大人な対応をするべきだ。凄い面倒だけど。
彼に逃げない、話し合いに応じる事を伝え、仕方なく、本当に仕方なく近くのカフェへ入った。
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