「ひねくれモノめッ!」
時間的には夕飯時。入ったカフェに人は少なく、入口からも窓からも離れた席を確保出来た。
「ここのカフェは、特製のブレンドコーヒーと生チョコを使ったケーキが売りなんだ。いるか?」
「ほぉ。詳しいね国山クン。じゃあそれを頂こうかな。国山クンは?」
「弘でいい。ここは・・・父の会社の業態のひとつだからな。俺もブレンドを。」
「 」
今 な ん つ っ た ?
チチノカイシャ?ギョウタイノヒトツ?
待って、入店2分で既にキャパオーバーだ!意味がわからん!!
まじで社長子息かよお前ぇえ!!!
いや、待て。ハッタリの可能性もまだあるぞ。私は大人だ、慎重に大人な対応を心がけよう・・・
「改めて、俺は国山 弘。尾奈浜高校の2年だ。あんたの名前は?」
「桜木 朔(さくらぎ さく)。昨日突然会社が破産してね。昨日から無職のアラサーだよ。」
「は?会社が破産?」
まあそりゃ驚くよね。会社が破産した事もだけど、無職の本人が飄々としてるんだもんね。
私が1番驚いてるわ。
「そ。詳しくは割愛するわ、私もよく分かってないし。そんで気分転換にショッピングしてて、あの現場ってわけ。」
「あれは、俺の本意じゃないんだ。その、聞いてくれるか・・・?」
「それを聞かせるためにここへ引っ張ってきたんでしょ?しゃーないからこのオネーサンが聞いてあげるよ。言ってみー?」
「妙に上から目線だな・・・まぁいい。」
そして、彼は身の内を語り始めた。