「ひねくれモノめッ!」
曰く。
彼の今の父親は血の繋がった父ではないそうだ。
本当の父は事故で他界、血の繋がった母は義父に夢中で再婚。
やがて弟が生まれ付きっきりに。両親に相手にされないまま、更に溝が深まってしまい・・・気を向けたいが故に、血迷ったらしい。
感想。
「捻くれ者め。」
「んな!お、俺だって色々試した!でも、ダメで・・・」
「警察沙汰にすれば嫌でもこっちを見てくれる〜って?バカ言いなさんな、その手のタイプは見捨てる場合もあるからね?シャチョサーンなんでしょ?」
「随分馬鹿にした言い方だな・・・」
「半信半疑だからね。続けるけど、もし義父がマジモンのシャチョサーンなら、身内に犯罪者がいるとか許せないでしょ。血が繋がってなくて疎遠になりかけてるなら余計。弟クンという血の繋がった後継者もいる訳だし。期待するだけ無駄じゃない?」
「・・・」
・・・言いすぎたか。
彼がコーヒーカップを持ったまま、黙ってしまった。
私も居心地が悪くて、ケーキをフォークで1口分すくい、口に入れる。
・・・うっま。
何これ美味い超美味い!
空気が読めてなくて悪いけどめっちゃ美味しい!生チョコの程よい甘さとふわふわスポンジの口溶け!隠すように点在するベリーの酸味も・・・まさに至極!これチェーン店のクオリティか!?チェーン店だよね!?
これはコーヒーも期待できるぞ・・・!
話している間に少し冷めてしまったブレンドコーヒーを口に含む。
おう・・・いい・・・!!深いコク、さっきのケーキの甘さも関係ないと言わんばかりの苦味、だが決して不快に残らないエグ味。それらがスっと一瞬で喉を通る。
ふぇえええおいしいよぉおお。