一生一緒
今度は私が驚く番だった。






なんで……





思わず後退る私に気付き手を伸ばす棗と、そんな棗を押しやって私を抱きしめてきた彼の母親。






「…こんなに大きくなって…また会えて本当に嬉しいわ」






棗の父親も何故か嬉しそうに肩を撫でてきた。






客間に通された私は状況が理解出来ないでいる。





「さっきは驚かせてごめんなさい。改めて自己紹介をさせて。」



優しく笑う母親。






「俺は平道剛。こう見えて平道財閥の社長でそこにいる愚息の父親だ」剛






棗が舌打ちをする。





「私は平道真理亜。剛の妻で棗の母親です。」

綺麗な顔で言う真理亜。棗は真理亜似だ。








「わ、私は……工藤美幸です。………5才までは柊沢美幸でした。」







そう言うと真理亜がクスッと笑う。






「私、美幸ちゃんのオムツを変えたこともあったのよ?」







そう言われて目を丸くする私。






「私は……貴女のお母さん。つまり柊沢美波さんと親友だったの。」






「俺は君の父親の柊沢楓と親友だった。俺と真理亜は君のご両親の紹介で出会ったんだよ」





それを聞いてまた目を丸くする私。
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