一生一緒
真理亜が昔を思い出すかのように目を伏せる。






「私と美波は小学校の時からずっと一緒で大人になっても幼馴染みで親友って言い合うくらい仲が良かったのよ。




美波と楓君が付き合ってるって知ったとき私は凄く嬉しかった。




そして楓君が自分の親友だって言って紹介してくれたのが剛なの。




私たちはお互いの親友が親友と結婚して凄く幸せだったわ。」







そう言って一枚の写真を見せてくれた。






それは教会の前でウエディングドレスに身を包んだ真理亜とタキシードに身を包んだ剛が、そしてその横には同じくウエディングドレスを着た私のお母さんとタキシード姿のお父さん。






久々に見るお父さんとお母さんの顔に目頭が熱くなる。






「私たちダブル結婚式をしたの。」






写真に映っているお父さんとお母さんは私の記憶のものと全然変わっていなかった。






「棗が産まれたときは凄く喜んでくれて。美幸ちゃんが産まれたときも凄く嬉しかった。………だけど…」






それ以上言おうとして肩を震わせ涙を浮かべる真理亜。その肩を抱きしめる剛。





「……二人が亡くなって美幸ちゃんが施設に預けられたと知ったとき俺たちは直ぐに探し回ったんだよ。




だけど放火犯がまだ捕まってないってことで君の情報は一切手に入れることが出来なかった。



だから楓の遺言で柊沢財閥を譲り受けた俺は必死で楓の会社を守ってきた。




柊沢財閥を守ることで君の帰る場所を作りたかったんだ。」







「ごめんなさい……貴女を見つけることが出来なくて」

静かに泣く真理亜に私は戸惑う。






「だ、大丈夫です。今、私はこうやってここにいる。お父さんとお母さんの親友さんが棗のご両親で凄く嬉しいと思ってます。」






そっと棗が手を握ってきた。

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