アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
どうやら、五貴さんの料理の腕前は、私と同じ位のようだ。

「ふふふっ。」

「へ?」

思わず噴き出した私に、五貴さんが笑う。

「ううん。何でもない。今日は、何を作ってくれるの?」

五貴さんが笑ってくれる事に嬉しくなって、私は頬杖をつきながら、尋ねた。

「シチューにしようかなって。この前、林に作り方、聞いたんだ。」

「楽しみ。」

シチューって聞くと、小学生の時にお母さんと一緒に作った事、思い出すな。


「えっと……確か具材を柔らかくなるまで煮込んだ後、水、牛乳、コンソメ、薄力粉と……」

「薄……力……粉……?」

聞いた事もないような材料に、頭が真っ白になる私。

「えっ……シチューのルーは?」

「ルー?ははん、つむぎは俺の料理の腕前を、馬鹿にしてるね。今回は、ルー無しで作るよ。」

「わー、すごい……」


って、私の料理の腕と、全然違うじゃないの!

私の料理の辞書に、薄力粉って言う文字はない!
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