アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
更に一歩近づく益城さんが、じっと私を見つめている。

「あの……」

「五貴のモノでも構わない。俺を好きになってくれ。俺だったら、毎日君と一緒にいる。苦労なんてさせない。」

その熱い瞳に、私は視線を反らした。


どうすればいいの?

私、こんなにも熱く口説かれた事なんてない。

もしかして、これが逆ハーって奴!?

いやいや。

そんな事、私に起こり得るはずがない。

どうにかして、この場を離れなければ!


「つむぎちゃん。」

益城さんの顔が、だんだん近づいてくる。

その時だった。

「誰かいるのか?」

五貴さんの声と共に、非常階段の扉が開いた。

そこには、五貴さんと内本さんが、立っていた。


「有我……つむぎまで……」

五貴さんは、私達の顔が近づいているのを見て、どこかへ行ってしまった。

「待って!五貴さん!」

後を追おうとしている私の腕を、益城さんが掴む。
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