アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「何を言っているんですか。」

紳士の大きな手が、私の背中を押した。

「さあ、行きましょう。」

その大きな手が、私を守ってくれているようで……

「はい……」

私は、勢いで着いて行く事になった。


けれど、その後が大変だった。

「社長。どちらの病院にされますか?」

「父の系列の病院があっただろう。」

「畏まりました。」

父の系列の病院!?

社長!?

「まさか……病院の院長!?」

「残念。」

あっさり答えを否定され、私は運転手付きのリムジンに、乗せられた。


「あ、あの……」

「君は、話始める時、かならず”あの”から入るね。」

口癖を指摘されて、私はちょっと、不機嫌になった。

だって、こんな状況普通に、~~何ですか?って質問できる?


「すみません。あなたは、何者なんですか?」

「ああ。自己紹介が遅れましたね。私は、折橋と言います。」
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