アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「例えブラック企業でも、契約社員でも、仕事は仕事。つむぎさんなら、一生懸命仕事されてたんじゃないですか?」

一生懸命。

その言葉に、私はウルッときた。


そうだ、私。

誰かに、一生懸命生きてる事を、認めても貰いたかった。

真面目に真面目にって、みんな言うけれど、それだけじゃない。

高い目標に向かって、懸命に懸命に、乗り越えようって……

努力して……


「ごめんなさい。」

いつの間にか、ボロボロ流れてきた涙を、次から次へと指で拭った。

「どうぞ。」

折橋さんから、ハンカチを手渡される。

アイロンが施された、綺麗なハンカチ。

「ありがとうございます。」

それで目頭を押さえて、なんとか涙を止めようとした。


「つむぎさん、こっちへ。」

「へっ……」

その瞬間、私は折橋さんの胸の中へ。


ええええ!

私、今、折橋さんに抱きしめられている!?
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