アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「ど、どういう事ですか!?」

私は思わず、立ち上がった。

「あれ?内容、聞いてたんじゃないの?」

「私が聞いていたのは、正社員になるって話で……」

「ああ!」

部長は、手を大きく叩いた。


「確かに、数人には正社員の話はしましたけど、水久保さんは今回、その枠には、入っていなくてね。」

「そんな!」

私の立場は、一気に崩落。

ステップアップするどころか、再来月から無職になるなんて!


「どうして、私なんですか!」

納得がいかない。

この半年、大きなミスをした事もないし、資料の作成だって、言われた期日に遅れた事もないし。

首を切られる理由が、見当たらない。

「まあ、座って。」

部長に手をヒラヒラさせられ、私は大きく深呼吸した後に、一度椅子に座った。


「水久保さん。有名な大学、卒業しているよね。」

「はい。」

ちょっとした自慢だけど、聞けば誰でも分かるような大学。
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