アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
偏差値だって、悪くはない。

「業績もいいみたいだし。君みたいな優秀な方は、うちの契約社員に甘んじるようなタイプじゃ、ないんじゃないかな。」

「だったら、契約社員じゃなくて、正社員にしてくれても!」


そう言った途端、私は部長の目線に気づいた。

部長は、もう私の履歴書を見ていない。

他の人の履歴書を見ている。


つまりは、決定事項。

私に相談の余地は、無しって事。

後は、そっちで気持ちの区切りを、つけてくれって事なのだ。


「分かりました。」

「本当に、申し訳ないね。」

「いえ。」

私は下を向いて、部長の顔を見れなかった。

「君は、しっかりしてるし、頑張り屋さんだって、所属の課長から聞いてるよ。今後も頑張って。」

「……はい。」

返事はするしかないけれど、有難うは言えなかった。

励まされて、お礼の言葉を言えなかったのは、人生で初だ。


「ここまでで、何か質問は?」
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