アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
そしてまた静まり返る、電話での会話。

向こう側では、”この女、終わってる”とか、思ってるのかな。


『つむぎさん。』

「は、はい!」

私はなぜか、立ち上がってしまった。

『一度、僕の会社に来てみませんか?』

「えっ……」

突然の誘い。

しかも、会社見学?

もしや、そのまま……就職決定!?

「い、行きます!お願いします!」

情けない事に、スマートフォン相手に、叫んでしまった。


「あっ、ごめんなさい。」

『いえ。元気でよかった。』

胸がジーンとなる。

私を心配してくれる人が、ここにいる。

なんて、幸せなんだろう。


『それでは、午後1時に迎えに行きますね。』

「はい。」

電話が切れた後で、ベッドの上で悶絶した。

ああ、なんだか今日は、いい日になりそうな予感がする。


「そうだ!何、着て行こう。」

突然起き上がって、私はクローゼットに直行した。
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