アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
私の少ないワードロープから、ここぞと言う時にとっておいたワンピースを取り出した。

「なんか、結婚式みたい。」

そのワンピースをクローゼットに戻し、ちょっとだけ考える。

少し前までは、こんな時パッと店に行って、気に入った服を買ってたなぁって。


いかんいかん!

気持ちだけは、ポジティブにならないと!


結局私は、シンプルなカットソーに、スカートを組み合わせた。

「うん。力を入れ過ぎず、抜き過ぎず。」

誰もいない部屋で、一人うんうん頷いた。

「はっ!化粧!」

オロオロしながら、鏡の前に座り、いつものように化粧を施す。

「マスカラ、いつもよりも多めに塗っておくかな。」

そして、睫毛にマスカラを塗りながら思った。

こんなにも、お化粧に力を入れたのって、何年振りだろう。


そして、気づく。

私は、折橋さんの事が、好きなんだって。


その時、急に電話が鳴った。
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