アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「はい。」

『つむぎさん?五貴です。マンションの下に着きました。』

折橋さんの声を聞いただけで、胸がキュンとする。

『つむぎさん?』

「あっ、はい!今、行きます!」


私はもう一度だけ鏡を見て、全体の姿を映して見た。

どこも可笑しいところ、ないよね。

うん、よし。

それを確認すると、カバンを持って、家を出た。


マンションのエレベーターに乗っている間も、ドキドキが止まらない。

エレベーターが1階に着くと、外に折橋さんのリムジンがあった。

呼吸が上手くできない。

こんな貧乏人に、リムジンが迎えにくるなんて。


「つむぎさん!」

しかもリムジンから降りて、こっちに手を振っている。

ああ、王子様だああああ。

「待たせてごめんなさい。」

「ううん。全然待ってませんよ。」

ありきたりな会話も、折橋さんとなら、素敵に聞こえる。

「はい、乗って。」

「ありがとうございます。」
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