ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「婚約破棄の申し出は、セレネ姫のほうからだったらしい。兄上が、セレネ姫ではなく、他の女のほうを向いていると」

「うわあ……」

女の勘だろうか。カイロス殿下が他の女性にうつつを抜かしていることに気づき、あえて身を引いたのか。それとも、浮気と判断したのか。わからないけれど大問題だろう。

「社交界は大騒ぎになっているようだ」

「それはそうでしょうね。結婚が決まっていた王太子の婚約者の座が、急に空いたのだから」

「それもそうだが、兄上が庭で拾った靴の持ち主を探しているものだから、我が我がと、女性達が押しかけているらしい」

「それ、なんてシンデレラ?」

「なんだ、“しんでれら”とは?」

「魔法使いの力で姫君に変身した平民が、王子と恋に落ちたけれど、魔法が解ける時間になって王子の前から名前も名乗らずに逃げてしまったの。それで、王子は靴が合う女性を国中から探し、二人は出会ってめでたし、めでたし、みたいは物語よ」

この世界にも、似たような恋物語があった。ガラスの靴ではなく、どんなステップでも踏める魔法の靴だったけれど。

「なるほど。その物語と同じことをしているのだと思った者達が、押しかけているというわけなのか」

「だと推測するわ」
< 111 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop