ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
カイロス殿下は明後日の方向を向き、背中には哀愁を漂わせていた。

あまりにも、気の毒すぎた。

「兄上、証言は、アステリアができます。兄上達を覗いてしまったのは、彼女です」

「それは、本当か!?」

「はい。名乗り遅れてしまい、申し訳ありませんでした」

「しかしなぜ、エレクトラ嬢は自分だと名乗り出たのだ?」

「舞踏会の日、私とエレクトラ嬢は奇しくも一緒の服装をしていたのです。裾が長くて存じなかったのですが、靴も同じものだったのでしょう」

まさか、足のサイズまで一緒だったとは。エレクトラ嬢は私が庇うと思っていなかったのか、涙目で見つめていた。

「間違いなく、カイロス殿下は元乳母である、シールドライト夫人と一緒にいました。聖獣の乙女の名にかけて、嘘は言いません」

膝の上に座るリュカオンは、ピッと背筋を伸ばす。私の角度から見えないけれど、きっと表情もキリッとしているはずだ。笑ってしまいそうになったが、ぐっと我慢した。
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