ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
『アステリア! 夫婦喧嘩はそれくらいにして、我に“まんじゅう”を食べさせてくれ!』

「夫婦じゃないから」

まだ、まんじゅうはアツアツだ。ふーふーと冷ましてあげたあと、食べさせてやる。『むむっ! これは、初めて食べる甘味だ! 生地はふっかふかで、あんは品がある甘さだ! うまい、うまいぞ!』

どうやら、おいしく仕上がっているようだ。

「アステリア、私にもくれ」

「はいはい」

イクシオン殿下の分もふーふー冷まし、口元へと持っていった。

すると、イクシオン殿下は目を見開き、驚いた顔で私を見つめる。頰も、心なしか赤くなっているような。

それを見た途端に気付く。イクシオン殿下は別に食べさせてあげる必要はないと。 手を引っ込めようとしたが、イクシオン殿下が口を開いて食べるほうが早かった。口元を押さえ、ボソリと呟く。

「甘い……!」

イクシオン殿下が恥ずかしがるので、私まで照れてしまった。

いったい何をしているのやら。

『おい、いちゃつくのは、我がいないところでしろ。“ぴゅあ”すぎて、目に毒だ』

「い、いちゃついてないから」

一応、訂正しておく。
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