ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
イクシオン殿下が、両殿下に肉まんについて説明してくれる。

「こちらが、特別にご用意いたしました“肉まん”という料理です」

「肉まん、か。初めて聞くな」

「見た目からは、どんな料理かまったく想像もできない。これは、この国の料理なのか?」

「いえ、こちらは私の婚約者アステリア・ラ・アストライヤーの実家に古くから伝わる食の書物に書かれてある、古代人の料理から着想を得て作ったものです」

前世で覚えた料理がおいしいのは、私の手柄ではない。私が考えたように扱われるのはおこがましい。そのため、以前から料理について聞かれたら、実家にあった古い書物から調べたものだと答えるようにしている。

まずは、毒味をする。スノウベリー国の毒味は、ごくごく普通に食べ「問題ないです」と返してくれた。なんだか物足りないと思いつつも、国王陛下の毒味係がオーバーリアクションなのだろう。

肉まんを紙袋に入れ、王太子夫婦へと差し出した。
< 191 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop