ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
王都の街並みは、忙しない。誰もが風を切るように歩いているように見えた。社交期だから、というのもあるのだろうけれど。

「なんだか、久々に外出した気がするわ」

「何か、街に用事があったか?」

「いえ、特にないけれど」

「私は、アストライヤー領に結婚の申し込みをいったとき以来の外出だ」

何か月前の話だか。

「ちなみに、その前に出かけたのは、十年前だな」

イクシオン殿下は筋金入りの引きこもりのようだ。王城にいるだけで、生活が成り立つことがシンプルにすごい。

「十年前は、どこに出かけたの?」

「誘拐されただけだ」

「そ、そうだったの?」
< 204 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop