ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
近所に出かけたみたいなノリで、誘拐された旨を話し始める。

「二番目の兄上が、教会にお祈りをしにこいとか言い出して、イヤだというのに、来なきゃ魔道具の研究をしたらダメだというから、渋々教会に行こうとしたのだが――」

宮殿から教会に向かう間に、誘拐されてしまったのだとか。

「外の世界は恐ろしいと結論づけた私は、なるべく宮殿から出ないことに決めた」

「そう……」

「可能な限り、宮殿の外には出ないだろうと思っていた。しかし、今、こうして出ることができた。別に、外はそれほど危険なものではなく、案外平和なのだなと」

「そうね」

「私を、意気地なしだと思っただろう?」

「いいえ。私もアストライヤー家のお金目当てに誘拐された経験があるから、気持ちはわかるわ」

「アステリアも、誘拐されたことがあったのか」

「十七回ほど」

「護衛は付けていなかったのか?」

「傍に人を置いておくのがイヤで、いらないとはね除けていたの」

平和な日本で生きてきた感覚からしたら、誘拐などありえないの一言だった。しかし、一人になったタイミングで次から次へと誘拐されてしまったのだ。
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