ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
指定されていた場所に向かうと、すでに十数名の貴族令嬢が集まり談話していた。

皆、半円状の長椅子に腰掛け、にこにこ笑顔を浮かべながら楽しそうに過ごしている。

年頃の娘達が集い、きゃっきゃと盛り上がる。絶対に話は合わないような気がしたが、大広間でダンスに誘われるよりはマシだろう。

それに、この世界の貴族令嬢がどんなことに興味を持ち、どんなことを夢見ているのか、知りたいと思った。

加えて、結婚以外に何かできる仕事や活動があるのならば、詳しい話を聞きたい。

早速、中心でふんぞり返っている小山の大将が声をかけてきた。

「あら、あなたは初めて見る顔ですわね。そのベリーピンクの髪は、アストライヤー伯爵家のご令嬢かしら」

「ええ。どうもはじめまして。アステリア・ラ・アストライヤーと申します」

「わたくしは、エレクトラ・ラ・ハルピュイアですわ」

やはり、彼女がハルピュイア公爵家のご令嬢だったわけだ。

紫色の落ち着いた髪色に、挑戦的な黒い目を持つ整った顔立ちの美少女である。年頃は、同じか一つ下くらいだろう。彼女もまた、私と同じ赤いドレスをまとっていた。

デザインが酷似しているのは、同一デザイナーが作ったものだからか。

そういえば、侍女が王都で大人気のデザイナーがどうこうと話していたような気がする。

衣装被りは、微妙……いや、かなり気まずい。
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