ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
ずんずん歩き、庭に出た。外は真っ暗だが、魔石灯が庭を明るく照らしてくれている。ちょっと寒いけれど、他に行くところが思いつかないので仕方がない。

まさか、あんなにも早く敵対されるとは思っていなかった。まあ、ドレスを被らせてしまったのが悪いのだけれど。でも、他人のドレスなんて、知るわけがなかった。

もしかしたら、サロンで次回着るドレスの相談をするのかもしれない。

新参者には、辛いルールである。

それにしても、貴族令嬢とやらはなんて夢が見当たらない立場なのか。

すてきな人と結婚して、家をもり立てるのが目標?

冗談じゃない。

せっかく生まれ変わったのに、貴族令嬢の型に当てはめられるなんてごめんだ。

なんだったら、バリバリ働ける労働階級に生まれたかった。

いや、労働階級だったら、過労死再びな感じもするけれど。

これは、神様がくれたチャンスなのかもしれない。アストライヤー家に生まれた私にしかできないものを、探し出すようにと。

裕福なアストライヤー家に転生したことも、何か理由があるのだろう。

ああ見えて、慈善活動には積極的だから、恵まれない者達を働かせる食堂を作るとか。それとも、スタンピートの対策に向かう騎士に食事を提供するため、遠征に同行するとか。
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