ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
なんと、カイロス殿下は護衛を伴って、色っぽい人妻と密会していた。

さすが、王太子だ。抜かりない。

女性が誰か知らないが、大変な相手と逢瀬を交わしていたのだろう。

こんなところで逢わずに、もっと人が立ち入れない場所に連れ込めばいいのに。

人が自由に出入りできる場所だからこそ、あのように盛り上がっていたのか。

なるほど、そういうプレイだったわけだ。

それにしても、カイロス殿下はテティス国のセレネ姫と婚約が決まったという噂を耳にしたが。中庭なんかで、いちゃついていて許されるものなのか。

「待てー!!」

 待てない。捕まったら、お咎めだけでは済まないだろう。

今日の私はすでに、公爵令嬢エレクトラと問題を起こしている前科一状態なのだ。

カイロス殿下とどこぞの人妻の逢瀬を目撃してしまった罪(?)は、さすがの父も庇えないだろう。

 全力で、庭を駆け巡る。途中で踵の高い靴を池に投げ込んだ。これで、証拠隠滅である。

 こうなったら、どこまでも逃げてやる。そんな心意気で、走って、走って、走った。
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