ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
体力に自信はあったが、普段から体を鍛えている騎士に勝てるわけがなかった。息が切れ、自慢の脚も悲鳴を上げている。そろそろ、どこかに隠れなければ。

途中、庭師が道具を入れて運ぶ荷車を発見した。上に、小汚い布がかけてある。急いで、その中に乗り、上から小汚い布を被った。

「どこに行った! 探せー!」

数名の騎士が通り過ぎる。どこかで合流したのだろう。

バクバクと鳴る心臓の音が、外まで響いているかと思うほどだった。

騎士達の声が遠くなる。ホッとしたのもつかの間のこと。荷車が突然動いたのだ。

ぎゃっ!という悲鳴を、寸前で呑み込んだ。

少しだけ布を上げて外を覗き込んだら、お爺ちゃんらしき背中が見えた。どうやら、庭師が荷車を運び始めたようだ。

こんな夜遅くにまで仕事をしているなんて。ご苦労様としか言いようがない。

「おい!!」

騎士が庭師に話しかける。慌てて布を下ろし、息をひそめた。

「この辺で、赤いドレスをまとった娘を見なかったか!?」

「いいえ、見かけておりませんが」

「そうか。見かけたら、教えてくれ」

「承知いたしました」
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