ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
そっと、物置の外に出てみる。

魔石灯の灯りが点された王宮の庭とは違い、薄暗かった。

すぐ近くに、庭師の休憩所のようなものがある。中は暗く、人の気配もない。ここで一晩潜伏し、明るくなってから帰ったほうがいいのか。

……いや、犯罪者じゃあるまいし。

朝帰りなんてしたら、大問題になるだろう。それに、庭師が戻ってこないともいえないのだ。危険な橋は渡らないほうがいいだろう。

周囲をキョロキョロと見渡す。近くにそびえ立つのは、立派な宮殿だ。ここはおそらく、王宮内のどこかなのだろう。四方八方、高い壁に囲まれていて、気軽に出入りできる場所に見えない。

警備している騎士の姿もないようだ。

ここはたぶん、個人が所有する宮殿なのだろう。

気づいた瞬間、ゾッと鳥肌が立つ。もしかして、脱出が困難な場所に潜り込んでしまったのか。

こうなったら、人を探して助けを請おう。庭師の荷車に乗ってきちゃったなどと、不審者でしかなかったが。まあ、酒を飲んで酔っ払っていたということにしたら問題は見当たらない。
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