ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
ちらりと、メルヴを召喚した青年のほうを見る。

腰に手を当て、満足げな表情を浮かべていた。捕らえろと命じたものの、縄で縛ったり、手足を拘束したりと、直接捕らえることはしないようだ。

「今から、尋問する!」

『それよりもお腹が空いた!』 

そう叫んで跳びだしてきたのは、モコモコふわふわの、真っ白い子犬だった。

喋る子犬に驚愕したものの、次なる一言にさらに驚いてしまう。

『娘よ。お主の記憶に、実においしそうな料理がある。我はそれを、食したい!』

「私の、記憶の中にある料理?」

『ああ、そうだ。ふわふわの黄色いものに、赤いソースをかけた料理があるだろう?』

「ふわふわの黄色いものに、赤いソース……もしかして、オムライス?」

『“おむらいす”というのだな! それを、作ってくれ』

驚いた。この子犬には、私の前世の記憶が“視えて”いるようだ。

「と、突然、言われましても」

「そこの女、“おむらいす”とやらを、作れるのか!?」

「材料があれば、ですが」

「ある! たぶん!」

青年と子犬の、熱い視線が集まった。
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