ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「でも、もうずっと作っていないし」

「頼む! 国の平和がかかっているのだ!」

そう叫び、美貌の青年は土下座した。

「いやいや、土下座とか、止めて!」 
腕を引いて立ち上がらせようとしたが、吸引力が強くて微塵たりとも動かない。

「国を救うのは、そなたしかいない」

「なんか、壮大な話になっているんだけれど!」

いったい、なんのことを言っているのか。訳がわからない。

「どうか、頼む」

「うーん」

面倒事に巻き込まれそうなので、詳しい話は絶対に聞きたくない。

 しかし、腹を空かせ、オムライスを食べたいという子ども(?)がいる。だったら、作ってあげてもいいだろう。

 美貌の青年も、ここまで頼んでいることだし。

「わかった。作るから――」

「本当か!?」

「え、ええ」

「ありがとう」

 美貌の青年はすぐに立ち上がり、私の手をぎゅっと握って頭を深々と下げてくれた。

 恥ずかしいので、手は素早く引き抜く。
< 37 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop