ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
イクシオン殿下の自動調理器があるおかげで、食事作りはかなり楽だ。

前世のように、過労死をすることはないだろう。

この通り、リュカオンのごはん係を担当するのはまったく問題ない。

最大の問題は、イクシオン殿下の婚約者に祭り上げられてしまった件だ。

「あの、イクシオン殿下、昨日言っていた、婚約の件なんだけれど」

「それがどうした?」

「早速で悪いのだけれど、破棄してもらえる?」

「なんだと!?」

イクシオン殿下は信じ難い女、という目で私を見る。

「なぜだ?」

「イクシオン殿下は、周囲が結婚を急かすので、間に合わせに私を婚約者として立てたと主張していたけれど、それは根本的な解決になっていないかと。数年後に、婚約破棄したあと、同じ問題が生じるのは目に見えているわ」

「それは、そうだが」

「数年後も、同じ悩みを抱えるのは、バカみたいだと思わない?」

「遠慮なく申すな」

「そう言うように命じたのは、イクシオン殿下よ」
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