ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
ダメだ。イクシオン殿下は完全に、私に対して「お前、面白い女だな」モードになっている。

今まで、イクシオン殿下に真っ正面から意見する女性など存在しなかったのだろう。

世の中には、私以上に面白い女がたくさんいる。どうか、目を背けないでほしい。世界中の、面白い女達から。
 
「まだまだ、世界中には素晴らしく面白い女がいると思うわ」

「なぜ、いきなり面白い女の話になっている?」

「ごめんなさい。詳しく説明できないけれど、話についてきて」

「無茶を申す」
私が何を言っても、イクシオン殿下には面白いことを言っているようにしか聞こえないのだろう。
 
こうなったら、奥の手を使うことにした。


「ちなみに、イクシオン殿下、ご年齢は?」

「十九だ」

「なるほど」

「何がなるほどなんだ?」

 私はアラサー女子の転生体で、ババアソウルを胸に秘めたまま転生したと。

つまり、十九歳と年若いイクシオン殿下は前世と今世の年齢を合わせて、アラフィフ女と結婚しようとしているのだ。

それを、今から胸を張って説明する。
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