ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「兄達の結婚は、政治的な意味合いが強い」

なんせ、ご兄弟は未来の国王となるカイロス殿下と、教会が歴史の中で初めて熱烈に支持するアイオーン殿下だ。

そんじょそこらの女が結婚できるわけがない。

「一方、私はどこにも支持されず、公式行事にはほとんど参加せず、引きこもり王子とまで陰で囁かれていたような存在。結婚話に難色を示しているうちに、誰でもいいから結婚してくれと命じられる始末だ」

「それはそれは……」

「平民の娘を連れてきても、どこぞの貴族の家の養子に出し、身分をつけてやるから、結婚してほしいとまで言われていた」

「結婚相手は、誰でもいいと?」

「そうだ」

つまり私がアストライヤー家のもので、その上精神年齢がアラフィフでも、イクシオン殿下はまったく気にしないようだ。
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