ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「答えを、聞かせて欲しい」

目力がすごい。迫力で、「はい」意外の答えを言わせないと訴えている。

断るような雰囲気ではなかった。どうすればいいのか。

助けを求めた瞬間、実家の父の姿が思い浮かぶ。そこで、ピンときた。

「父に……」

「ん?」

「父が許してくれたら、私はイクシオン殿下と結婚するわ」

「そうか。わかった」

この問題は私の手に負えないので、父に丸投げすることに決めた。

妃教育なんかしていない娘を、王族の嫁に出すわけがない。

もしも結婚なんてしたら、アストライヤー家の恥になるからだ。

父はきっと、金を出すので娘を返してくださいと、平伏してくれるはず。

私は無事実家に帰ることができて、国は大金を得る。良いことづくめだ。

ごはん係は、転移魔法を自在に操れるリュカオンがアストライヤー家の領地まで来てもらったら続けられる。問題は何一つない。
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