ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
料理に関しては、今世では不要の三物だろう。なんせ、実家には料理人がいる。絶品までとは言わないが、そこそこおいしい。

家族のために料理を、なんて一度も思わなかった。作ったとしても、なぜ料理人の仕事を奪うのかと、怒られることは目に見えていたからだ。

「アステリア、聞いていたのか?」

「あ、ごめんなさい。聞いていなかったわ」

「お前という奴は!!」

父は怒り、母はため息をつく。いつもの光景だった。

生まれ変わった私は、アストライヤー伯爵家の『ポンコツ令嬢』として、名を馳せている。

それでもいい。私は、私を裏切ることをしていないのだから。
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