ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
植えた種に水を蒔いたら、本日の畑仕事は一段落である。

「そういえば、ここの野菜って、すべてイクシオン殿下の宮殿内で消費しているわけじゃないのよね?」

『ソウダヨ! 余ッタ野菜ハ、孤児院や病院ニ、寄付シテイルンダッテ』

「へえ、そうなのね」

なるほど。無計画にだだっ広い場所で農業をしているわけではないと。

「うーん」

『どうしたのだ?』

「イクシオン殿下って、実はものすごい人なんだなと」

『まあ、猛烈な努力家ではあるな』

イメージがガラリと変わってしまった。

英雄と呼ばれ、独身王族として皆の注目を浴びていたが、本人は地味でささやかなものに喜びを感じる素朴な人物のようだ。

『どうだ、惚れ直したか?』

「惚(ほ)れていないから、惚れ直しようもないけれど」

『辛辣だな』
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