人生の待ち時間
大好きなテレビの連ドラ。それが、映画化された。タカくんもそのドラマがお気に入りだったようで、以前に二人で盛り上がって話したのだ。
『映画、観たいよね?一緒に観に行く?』
「行きたいですっ!」
こうして私とタカくんは、その週末、初めて二人で映画を観に行った。
タカくんと会っている時は楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまう。タカくんと別れた後に、「今回も何も訊けなかった」と落ち込んでいた。
タカくんと話がしたくて、連絡をとる。すると、タカくんに「週末、どこか行く?」と訊かれる。私は嬉しくて、ついつい自分の希望を言ってしまう。そして、週末に二人で出かける。
そんな感じで、二ヶ月が過ぎた。
完璧に、流されている。タカくんから、お花見での事を何か言ってくれるかと期待もしていたが、全くその気配はない。
その間に、私とタカくんの姿を見かけた会社の人が何人かいたりして。『私とタカくんが付き合っている』という事になりつつあった。田舎は狭い。
営業部の女子に「川崎さんと付き合ってるの?」と詰め寄られたが、戸惑い落ち込むばかりの私に、肩透かしを食らったような顔をしていた。
そんなある日の定時後「アイ、付き合いなさい」と、マリコに呼び出された。
私はようやく、お花見からの出来事をマリコに話す事ができた。もっと早く、相談していればよかった。
「マリコ、どう思う?」
すがるようにマリコを見ると、マリコは大きな溜め息をついた。