人生の待ち時間
「アイちゃんが連絡くれた時は、嬉しかった!自分のやった事も忘れて、映画に誘ってた。アイちゃんと一緒にいる時間は、楽しくて。ずっと会っているうちに、アイちゃんは俺の気持ち、わかってくれているんじゃないか……そんな都合のいい事を思うようになっていた」
タカくんは、スッと背筋を伸ばした。
「大事な事、ちゃんと伝えなくてごめん!原田 藍さん、好きです。俺と付き合ってください!」
「はい!よろしくお願いします!」
待ち続けた言葉を聞いた時、涙が溢れた。それでも、自分の想いを伝えたくて、精一杯微笑んで答えた。
それからの私たちの関係は、順調だった。……と、言いたいところだが。
タカくんは、穏やかで優しい。ケンカも、あまりしない。私には、もったいないくらいのイケメンだし。
でも……二人の間のいろんな『初めて』は、いつも私がきっかけだった。初めてエッチしたのも、初めてのお泊まりも、初めての一泊旅行も。全部私が、言い出しっぺだ。
どちらが先に言い出したなんて、どうでもいい事かもしれない。でも、不安になるのだ。タカくんは、どう思っているのだろう?本当は私の事、そんなに好きじゃない?なんて……
優しいタカくんと一緒にいれば、そういう不安は忘れる。でも一人になると、そういう事、ウジウジグダグダと考えてしまうのだ。
自分がネガティブ思考になっているのには、しっかりと気付いているつもりだが。